2026年10月4日
製造業
日本人だけでは難しい時代へ。外国人スタッフとともに、現場を支える仕組みをつくる【山根鉄構建設株式会社 様】

⚫︎産業技術育成事業協同組合
「採用しても、なかなか定着しない」「現場を支える人材を確保できない」。
鉄骨製作の現場では、体力を必要とする仕事も多く、人材の採用と定着が課題となっています。
山根鉄構建設株式会社 様でも、日本人を採用しても離職してしまうケースがあり、将来にわたって現場を維持し ていくための人材確保を考えていました。
そこで約14〜15年前から検討を始めたのが、外国人スタッフの受け入れです。
現在では、外国人スタッフが現場を支えるだけでなく、長く働くスタッフが後輩を育てるなど、社内に新たな人材育成の循環も生まれています。
今回は、受け入れを始めた背景や安心して働ける環境づくり、外国人スタッフの成長が現場にもたらした変化、そしてこれから受け入れを検討する企業へのメッセージを伺いました。
⚫︎企業様インタビュー
人材の確保と定着を見据え、約15年前から外国人スタッフの受け入れを検討

鉄骨製作は体力を必要とする仕事でもあり、日本人を採用しても離職率が高く、人材の定着が課題となっていました。
将来にわたって現場を維持するため、当社では約14〜15年前から外国人スタッフの受け入れを検討し、制度や費用、手続きについて産業技術育成事業協同組合に相談しながら、受け入れをスタートしました。
外国人スタッフが加わると、真面目に仕事に取り組む姿勢が日本人社員にも良い刺激になりました。
収入という明確な目標を持ち、担当できる仕事を増やそうと積極的に技術を身につける姿も見られます。
現在では、外国人スタッフが現場を支える大切な存在となり、必要な人材を安定して確保できる体制につながっています。
仕事も生活も支えることで、安心して働ける環境をつくる
外国人スタッフの受け入れでは、言葉や文化、生活習慣の違いによる不安もあります。そこで当社では、仕事だけでなく、生活面まで継続して支えることを大切にしています。
外国人スタッフのために寮を2つ整備し、冷蔵庫や洗濯機、炊飯器、ベッドなどの家具・家電に加え、調理器具や生活用品まで用意。
来日直後には一緒にスーパーへ買い物に行くなど、日本での暮らしを始めるためのサポートも行っています。
さらに、食事会や歓送迎会、社員旅行など、仕事以外で日本人社員と交流できる機会も大切にし ています。
困ったときには産業技術育成事業協同組合にも相談できる体制を整え、会社と組合が連携しながら、安心して働き続けられる環境を支えています。
「教えてもらう側」から「後輩を育てる側」へ
長く働く外国人スタッフが増えてきたことで、社内には新たな支え合いも生まれています。
10年以上勤務する外国人スタッフの中には、後から入ってきた後輩をまとめたり、仕事を教えたりする存在へと成長している方もいます。
かつては会社から教えてもらう立場だった外国人スタッフが、今では後輩を支える側となり、現場の橋渡し役として活躍することで、会社の育成負担が軽くなるだけでなく、後輩たちも分からないことを気軽に相談できるようになりました。
外国人スタッフの採用と育成が、これからの事業を支える

日本人だけでは人材を確保することが難しくなっている今、外国人スタッフの採用は、これからの企業にとって重要な選択肢の一つです。
ただし、 受け入れるのであれば、外国人スタッフを採用して終わりにしないこと。
仕事の進め方や生活上のルールを丁寧に伝え、困ったときに相談できる環境をつくる。
そして、会社だけで対応するのではなく、組合などの支援機関とも連携しながら、継続的に支えていくことが大切です。
長く働く人が増えれば、今度はその人が後輩を支える側になります。
外国人スタッフを一人ひとり育てていくことが、やがて会社の中に新しい人材育成の仕組みをつくり、人材を採用するだけでなく、育った人材が次の人を育てる会社へとつながっていく。そんな好循環が、これからの会社を支える力になると思います。
⚫︎外国人スタッフインタビュー
安心して働ける環境が、仕事への挑戦と成長につながる
母国にいる家族と2人の子どもを支えるため、より多くの収入を得たいと考え、日本で働くことを決めました。
来日当初は、日本語の難しさや生活習慣、食文化の違いに不安もありましたが、今では日本での生活にも慣れ、免許を取得してバイクで買い物や用事に出かけることもできます。
銀行や病院など、来日当初は一人では難しかったことも、産業技術育成事業協同組合のスタッフに教えてもらいながら、今では自分でできるようになりました。
仕事で使う日本語も少しずつ身につき、今では先輩とのコミュニケーションにも困らなくなりました。
現在は、鉄骨製作の現場で溶接前の仮付け作業を担当しています。
一本の鋼材から部品を組み上げ、一つの製品が完成したときには、自分の手でつくり上げた実感と大きな達成感があります。
仕事だけでなく、社員旅行やバーベキュー、焼肉など、会社の皆さんとの交流も楽しみの一つです。夏には飲み物や軽食のサポートもあり、仕事だけでなく、日々の生活まで気にかけてもらっていることを感じています。
これからは特定技能へ移行し、できるだけ長く日本で働きながら、さらに仕事の技術を身につけていきたいと考えています。
周囲に支えてもらいながら、一つずつできることを増やしていくという積み重ねが、自分自身の成長と、これからの仕事への自信につながっています。



